明日が終わる、その時まで【完】
「はじめまして祥吾くん。にーたんの友達の佐野晶だよ。よろしくね」
祥吾くんの顔の前でしゃがみ込んで、自己紹介をした。
「あきらちゃん? かわいいね」
ニカッと笑う祥吾くんはめちゃくちゃ可愛い。
「晶ちゃんありがとう。祥吾、ママもう少しだけ晶ちゃんとお話したいから家の中でおやつ食べててくれる?」
「はーい。あきらちゃんまたね」
「うん。ばいばい」
祥吾くんが家の中に入ったのを確認すると、佳代子さんは照れたよう笑う。
「祥吾がごめんねっ」
「いいえ。すごく可愛いです。まだ2歳とかですか?」
「3歳よ。祥吾は私が41歳の時に生まれた子なの。私若くないから、もう毎日くたくたで」
佳代子さんは肩を叩きながら疲れた仕草をするけど、その顔はとても幸せそうに見える。
「大吾くんのことだけど……もしかしたら、すぐ近くの土手にいるかもしれない。前に、帰りが遅かった時、大橋の下で見つけたことがあるの」
「わかりました。行ってみます」
佳代子さんから情報を入手した私は、近くの土手に向かうことにした。
ここからなら走って15分くらいってところだろう。