明日が終わる、その時まで【完】
「晶ちゃんさ、美人だけどちょっと変わってる女子でしょ?」
「は? なんで?」
Bの言葉に頭を傾げる。
「だって、俺たち見ても全然顔色変えないじゃん。自分で言うのもあれだけど、俺らって結構近寄りがたいっしょ?」
思った通り、Bは会話ができる相手のようだった。
Bが言うように、そもそも北高自体がその地域の中で一番素行が悪い少年たちが集まった高校だったりする。
AもBも身長が2m近くあって、体もでかいし、顔もいかつい。Aにいたっては前歯ないし、Bはまゆ毛全剃りだし。
見た目だけでいえば好んで近寄りたい相手ではないことは確かだ。
だけど、近寄りがたい心の持ち主かどうかは、それだけは、
「それは近寄ってみないとわからない」
近づいて、その心に触れてみないと、相手がどんな人間かなんて本当のところわかんないでしょ。
いちいち怖がっていたら、誰の心も知ることなんてできない。
私はBの顔をじっと見つめる。
「へえ。それで大吾にも近寄ってきたんだ」
Bがニヤリと笑う
でもその笑顔は心から笑っているようには見えなかった。
冷めた笑いとでもいうのだろうか。