明日が終わる、その時まで【完】
橋の下に残された私と柴田。
二人きりで向き合うのはこれが初めてだ。
「今日、何で学校さぼったの?」
間髪入れず、私は柴田に尋ねた。
「別に……もう、俺が存在する必要がねえと思ったからだ」
絶対口をきいてくれないって思っていたのに、意外にも柴田はすんなり答えてくれた。
柴田が存在する理由? どういうこと?
「楠田のこと、あいつらは多分もうなんとも思ってねえだろうから」
へえ、別に無口ってわけじゃないんだ。
「うん。そんな感じだったね」
「じゃあ、もう俺の存在必要ねえだろ」
「……はっ?」
いやごめん。マジで意味がわからない。
なんでそうなるの?
「必要ないなんて、思うわけないじゃん」
バカではないと思っていたけど、実はおバカさん?
確かにまっつんたち男子が柴田を利用して楠田くんにやり返していたのは事実だけど、それに満足したからって柴田との関わりを切るなんて、多分誰一人そんなこと考えてないと思うけど。
呆気に取られている私を前に、柴田の目が大きく見開かれる。