明日が終わる、その時まで【完】
第二章
「「ええっ! なにそれーどういうことー‼」」
亜美と梨花の甲高い声が教室中に響き渡る。
二人の視線は柴田の机で作戦会議をする私と柴田に注がれていた。
私と柴田が同じ机で話し込んでいる光景を、悔しそうな表情で見ているのだ。
墨汁飲まされかけていたくせに……、そんなことなどとっくに忘れているのだろう。
私、かばう必要あったかな? と、ちょっと後悔した。
小春にもまっつんたちも混乱したような顔をしていたけど、私はあえてみんなに何かを説明することなく、教室で孤立する柴田に、何事もなかったように話しかけていた。
「じゃあさ、とりあえず当時住んでたマンション行こうよ」
「簡単に言うな。オートロックだし、住人以外入れねえよ」
「えー……まいったなぁ」
スタートからさっそく躓いてしまった。
頭を抱える私の元に、「なんの話?」と声をかけてきたのは、嬉しそうな笑みを浮かべる福沢くんだった。
「……守」
福沢くんの名前を呼ぶ柴田の目はどことなく優しく見える。