明日が終わる、その時まで【完】
「……はあっ」
だけど、何度見ても手がかりになるようなものは何も映っていない。
今でこそ、コンビニやお店もたくさんあって、どこにでも監視カメラが設置されてあるけど、この駅前が再開発されて街に活気が戻ったのはここ五年の話だ。
柴田がここで暮らして、柴田のお母さんが亡くなった八年前は、今よりずっと静かで、お店といえば商店くらいしかなかった。
仮に、当時この近辺に監視カメラが設置されていたとしても、八年前の映像なんてとっくに破棄されているだろうし、そもそも警察が調べているはずだ。
「ああーー……だめだ。全然だめだあーー!」
大声を上げる私に、ポンが「ワウ!?」と声を出し、後ずさる。
頭を抱えている私のもとに、ピコンッという間抜けな音が届いた。
スマホを開くと、柴田と福沢くんと私の三人で作ったグループにメッセージが届いていた。
⦅やっぱり今の映像から当時の手がかりを見つけるのは難しいと思う。ここは、大吾のお父さんに話を聞いてみるのはどうかな?⦆
柴田のお父さん? それどういうこと?
⦅なんで? 柴田のお父さんが第一発見者なの?⦆
私は福沢くんにメッセージを送った。
すると、すぐに福沢くんからの返事がきた。
⦅大吾のお父さんは刑事なんだよ⦆
「ふぁっっ! マジッ!?」
びっくりしすぎて、よくわからない声が出た。