明日が終わる、その時まで【完】
福沢くんの話を聞いて、荒ぶっていた心が少し、というかだいぶ落ち着いた。
でも、だったらなおさら、そんなに愛していた女性との子どもを、どうして放っておくの?
柴田の心が、光のない深い奥底に沈んで、何も見えないで苦しんでいることなんて、柴田の目を見ればわかるはずだ。
柴田の心を救う前に、自分は再婚して、子どもまで作って……。
…………ふざけんな。
福沢くんと電話をして、せっかく心が落ち着いたと思ったのに、今日までの柴田のお父さんの行動を考え始めると強い憤りで胸がいっぱいになった。
そんな話を聞いちゃったから、昨日はまともに眠ることができなかったんだよね。