明日が終わる、その時まで【完】
「お前といると……人生狂う」
はあーっと大きなため息をついて、柴田が頭を抱える。
「またそれ? そんな褒めないでよ」
「褒めてねえ」
「褒めてるから」
「褒めてねえっつーの」
ギロッと睨みつける柴田に、笑顔で返す。
「ねえ柴田、本当のこと言いなよ」
「あ?」
「柴田だって本当は、先生の話を聞いて警察の判断が間違ってるかもしれないって思ったんじゃない?」
「……」
柴田が黙る。
「過去の事例と状況証拠でお母さんを自殺だと判断した警察と、20年以上お母さんの心を見てきた先生、柴田はどっちを信じる?」
「……」
「本心で答えて」
柴田の本当の心を教えてほしい。