明日が終わる、その時まで【完】
私はしゃがみ込んで、柴田の視線が逃げないように、その目を捕まえる。
柴田の瞳は揺れていた。
「……警察の捜査は間違ってない。親父が刑事とか関係なく、日本の警察は優秀だと思ってる」
「うん。私もそう思ってる」
「けど……あの先生は、俺よりも親父よりも母さんをみてきた人だ。俺たちの知らない母さんの内側を見てきた人だ」
「うん」
「俺が母さんを信じたいって気持ちなんかより、よっぽど信ぴょう性がある」
やっぱり、柴田も先生が間違ってないって感じていたのだ。
「探そう。なんとしても、真実への手がかりを」
「ああ」
先生との出会いが、一層私たちの思いを強くさせた。