社長じゃない僕は、君のために何ができる? 〜社長、嫌いになってもいいですか?シリーズ 最終章〜
それから、僕は必死だった。
事業もようやく、本格的に軌道に乗り出したとはいえ、もっと売り上げを伸ばして僕自身の手取り金額を多くする必要がある。
雨音をちゃんと養うため。
だから僕は、社員の力を借りながら、平日は夜遅くまで働いた。
土日は、雨音と一緒に結婚の準備を少しずつ進めていた。
雨音には、少しでも負担にならないようにと、僕が情報を集めて雨音に決めてもらう。
そんな形で、新居のことや結婚式のことを少しずつ形にできれば良いと、思っていた。
時々、眩暈をおこすこともあったが、それも全て雨音とこれから先も一緒にいるために課せられた僕への試練だと思えば、耐えられた。
耐えなければならないと思っていた。
1人で。
彼女が僕といることで幸せだと、信じてもらえるように。
彼女のご両親に。
そして何より、彼女自身に。
だけど、そんな日々に突然、終わりが来てしまった。
着実に、雨音との結婚へのカウントダウンをしていた矢先のことだ。
僕はその日、いつものようにオフィスで仕事をしていた。
そろそろ帰ろうと、時計を見ると……夜中の1時過ぎ。
僕の家はオフィスから歩いて少しのところにあるから、終電を気にする必要はない。
だから、ついつい時間のことを忘れてしまうのだ。
パソコンを閉じて、それからスマホで雨音に連絡をする。
これから帰る、と。
そうして、ポケットにスマホを入れた……までは覚えている。
そこからの記憶が飛んで、気がつけば僕は真っ白い部屋に寝かされていた。
そこが病院だと気づいたのは、自分の腕に繋がれていた点滴と、今にも泣きそうな顔で僕を見下ろす雨音を見てからだった。
事業もようやく、本格的に軌道に乗り出したとはいえ、もっと売り上げを伸ばして僕自身の手取り金額を多くする必要がある。
雨音をちゃんと養うため。
だから僕は、社員の力を借りながら、平日は夜遅くまで働いた。
土日は、雨音と一緒に結婚の準備を少しずつ進めていた。
雨音には、少しでも負担にならないようにと、僕が情報を集めて雨音に決めてもらう。
そんな形で、新居のことや結婚式のことを少しずつ形にできれば良いと、思っていた。
時々、眩暈をおこすこともあったが、それも全て雨音とこれから先も一緒にいるために課せられた僕への試練だと思えば、耐えられた。
耐えなければならないと思っていた。
1人で。
彼女が僕といることで幸せだと、信じてもらえるように。
彼女のご両親に。
そして何より、彼女自身に。
だけど、そんな日々に突然、終わりが来てしまった。
着実に、雨音との結婚へのカウントダウンをしていた矢先のことだ。
僕はその日、いつものようにオフィスで仕事をしていた。
そろそろ帰ろうと、時計を見ると……夜中の1時過ぎ。
僕の家はオフィスから歩いて少しのところにあるから、終電を気にする必要はない。
だから、ついつい時間のことを忘れてしまうのだ。
パソコンを閉じて、それからスマホで雨音に連絡をする。
これから帰る、と。
そうして、ポケットにスマホを入れた……までは覚えている。
そこからの記憶が飛んで、気がつけば僕は真っ白い部屋に寝かされていた。
そこが病院だと気づいたのは、自分の腕に繋がれていた点滴と、今にも泣きそうな顔で僕を見下ろす雨音を見てからだった。