社長じゃない僕は、君のために何ができる? 〜社長、嫌いになってもいいですか?シリーズ 最終章〜
「知ってました?私が、社長に褒められるのがとっても好きだってこと」
「そうなの?」
雨音は、僕が「すごいね」「がんばったね」と言っても、表情を大きく変えることなく会釈をするだけだった。
別に、大袈裟に喜んでもらいたい訳ではなかった。
淡白な反応にちょっと肩透かしくらったことは、何回かあったけれども。
だから、雨音の質問は僕にとって想定外だった。
「社長って……本当に鈍いですよね……」
「それは……否定できない」
「ですよね。だって、私の気持ちなんてちっとも察してくれないから……」
「ごめん……」
僕は、人の気持ちを察することが苦手だ。
だから……言ってくれないと分からない。
抱えられてしまうと、隠されてしまうと、僕には為す術もない。
こんな自分を嫌だと思ったことは、これまでは正直なかった。
分からないからこそ、できたことがたくさんある。
相手の気を遣わず、どんどん営業をかけられるタフさは、こういう自分の気質からきていると、僕は思っているから。
でも、愛している女の子を、このせいで苦しめてしまったことは……申し訳なく思ったし、変えられるなら変えたいと思った。
「雨音……僕はね……」
僕は、雨音に話した。
自分が考える、雨音を苦しめたであろう、自分の原因を。
雨音は、黙っておとなしく聞いてくれていた。
否定も、肯定もしなかった。
僕が話終わるまでは。
そして、僕が改めて
「ごめん……雨音……」
と最後に謝ると、雨音は急にぷっと笑いだした。
「あ、雨音?」
肩を震わせながら、くすくすと笑い出し雨音に、僕は困惑した。
「な、何で雨音笑ってるの?」
人が真剣に話してるのに……。
すると雨音が
「ねえ社長。気づいてました?それ、全部ご自分に返ってきてるんですよ」
と言った。
「そうなの?」
雨音は、僕が「すごいね」「がんばったね」と言っても、表情を大きく変えることなく会釈をするだけだった。
別に、大袈裟に喜んでもらいたい訳ではなかった。
淡白な反応にちょっと肩透かしくらったことは、何回かあったけれども。
だから、雨音の質問は僕にとって想定外だった。
「社長って……本当に鈍いですよね……」
「それは……否定できない」
「ですよね。だって、私の気持ちなんてちっとも察してくれないから……」
「ごめん……」
僕は、人の気持ちを察することが苦手だ。
だから……言ってくれないと分からない。
抱えられてしまうと、隠されてしまうと、僕には為す術もない。
こんな自分を嫌だと思ったことは、これまでは正直なかった。
分からないからこそ、できたことがたくさんある。
相手の気を遣わず、どんどん営業をかけられるタフさは、こういう自分の気質からきていると、僕は思っているから。
でも、愛している女の子を、このせいで苦しめてしまったことは……申し訳なく思ったし、変えられるなら変えたいと思った。
「雨音……僕はね……」
僕は、雨音に話した。
自分が考える、雨音を苦しめたであろう、自分の原因を。
雨音は、黙っておとなしく聞いてくれていた。
否定も、肯定もしなかった。
僕が話終わるまでは。
そして、僕が改めて
「ごめん……雨音……」
と最後に謝ると、雨音は急にぷっと笑いだした。
「あ、雨音?」
肩を震わせながら、くすくすと笑い出し雨音に、僕は困惑した。
「な、何で雨音笑ってるの?」
人が真剣に話してるのに……。
すると雨音が
「ねえ社長。気づいてました?それ、全部ご自分に返ってきてるんですよ」
と言った。