エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「今後は行政もからんでくるから、うちの会社で対応させてもらう」
「よろしくお願いします」
「明日にでも、一緒に行ってみるか?」
「ええ、ぜひお願いします」
優杏がパっと明るい表情を見せた。えくぼがぷっくりと浮き上がり愛らしい。
「じゃあ、先にシャワー浴びてくるよ」
彼女を見つめていると抱きしめたくなってきたので、
慌てて煌斗はバスルームに向かった。
「その間に、夕食の支度しておきますね」
優杏は彼の後ろ姿に告げると、キッチンへ戻って行った。
彼女の柔らかい声を背に聞きながら、煌斗の心は温かくなっていく。
(なんて穏やかなんだろう。我が家がこんな寛いだ空間になるなんて……)
片岡の家は、静かな佇まいであっても生活感のない家だった。
煌斗がずっと憧れていた秋本家の雰囲気が、優杏がここにいるだけで感じられる。
(家庭を持つっていいもんだな)
それは最初の結婚のときには味わえなかった感情だった。