エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
秋本家に着いて車を停めようとしたら、門の横にある駐車場にはすでにワゴン車が止まっていた。
「あ、鈴原さんが来ているわ」
「鈴原?」
「いつか、ここで会った方です。母の庭を管理してくれている造園家の鈴原さん」
「ああ、彼か」
すっかり忘れていた。
優杏と親しそうに話していた人物だ。
煌斗と優杏は車から降りると、そのまま崩れた箇所を見に行った。
西の法面はブルーシートで覆われ、応急処置がされている。
赤いコーンが周囲の道路に置かれているので、車は通りにくそうだ。
「思ったより被害は少ないから、ひと月くらいで修復できるそうだよ」
「よかった……」