エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
幼稚園の頃から、兄や煌斗さんにいつもくっついていた。
年が十歳も離れているのに、一緒に遊びたくて仕方なかったのだ。
『あっち行けよ』
兄には邪険にされたけれど、煌斗さんは違った。
『優ちゃん、トランプする?それとも絵本読もうか?』
『優ちゃんも仲間に入れてあげるよ』
お兄さんがいるだけで下に弟や妹がいなかった煌斗さんは
小さい子が珍しかったのか面倒をみてくれた。
今思えば親友の妹というだけなのに、よく相手をしてくれていたなと思う。
まるでひな鳥のように煌斗さんの後をくっついて回ったものだ。
兄たちが部屋でゲームをしていれば、その近くでお絵かきをしたし、
庭で遊んでいる時は、なるべく庭に出るようにしていた。
あの頃は、そんな日々がいつまでも続くと思っていた。