エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
反対しているかと思っていた宗一郎は、心から祝福してくれているようだ。
優杏はホッと胸を撫で降ろした。
食事がすむと、宗一郎はその日は泊まらずに福岡へ帰ると言う。
「じゃあ、最終の飛行機に乗りたいからこれで失礼するよ」
「お忙しいのにありがとうございます。これからよろしくお願いします」
優杏が素直に感謝の気持ちを伝えたら、宗一郎はニヤリと笑った。
「優杏さん、息子がなにかしでかしたら私に直接報告してれたまえ」
「はい!」
息子の告げ口をしてくれて構わないと優杏に許したのだ。
「父さん、余計なことを……」
「近いうちに、郁杜にも婚約の報告をしろよ」
父親としては、まだ独身で結婚する気配すらない長男より先に
次男が二度も結婚することを気にしたのだろう。
煌斗は渋々、『わかったよ』とだけ返事をしていた。