エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「ところで……君は、今何処に住んでいるのかな?」
どこにいたのか、いきなり所長の青木がふたりの会話に口を挟んできた。
「え……と、友達のところです……」
「ホントかな~」
青木はニヤリと笑って優杏を見ている。
彼には隠し事はできなさそうだ。優杏は覚悟を決めて、正直に話すことにした。
「実は……急なんですが婚約しまして、相手の方のお宅にお邪魔しています」
「ええ~っ!」
紗子が素っ頓狂な声を上げた。優杏自身が戸惑うくらいの急な進展だ。
これまで恋バナすらしたことがなかったのだから、驚かれても当然だ。
「そんな……この前まで独身仲間だったのに……」
「ハハッ、美園くん落ち込まないで仕事の話をしようかな」
青木が声をかけても、紗子はまだブツブツとなにか言っていた。