エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
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その日、煌斗は厄介な相手と会っていた。別れた妻のジェニファーだ。
離婚してからはもう会う必要はないと思っていたのだが、
彼女はいきなり東京にやって来たのだ。
今、彼は呼び出されたホテルの一室にいた。
『元気そうね、アキ』
『急にどうしたんだ?』
ジェニファーは、ブルネットの長い髪を優雅にかき上げた。
グラマラスな美女だけに、とても様になる。
『仕事でこっちに来たのよ』
『仕事? お父さんの会社へ入ったのか?』
煌斗がジェニファーと知り合った頃は、不動産会社の社長令嬢として派手に遊んでいた。大学では経営を学んだらしいが、男性遍歴で名を馳せていたのだ。
『そうよ、父が後を継いで欲しいって言うから』