エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「あ……」
ちょうど煌斗とのことを考えていたので、優杏は手にしたグラスをギュッと握りしめた。
彼の気持ちが自分から離れるなんて想像したくない。
「ゴメンゴメン。冗談だから!」
優杏が真顔になったので、紗子は慌てて話題を変えた。
「こんな気分の時は、秋本家のイングリッシュガーデンに行きたいなあ」
「そうですね」
緑に囲まれて深呼吸したらどんなに気持がいいだろう。
「今度、青木さんも誘っていい?」
イングリッシュガーデンがお気に入りの紗子は、青木所長にも声をかけたいらしい。庭のファンを増やすのが目的のようだ。
「もちろんです。まだ公開はできないんですが、私は週に一、二度は郵便物を取りに行ってますから、その時にでもいらしてください」
「じゃあ、さっそく来週行くわ!」
「はい。楽しみにしています」