エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
優杏が成城の片岡家に帰り着いたら、もう11時に近かった。
そっと玄関から入るとリビングに明かりが見えた。煌斗が起きているようだ。
優杏が中を覗くと、彼は無表情でソファーに座っていた。
テーブルの上にノートパソコンが見えたので仕事をしていたのだろう。
「ただいま」
ドアのところから声をかけたら、煌斗が優杏の方を振り向いた。
「遅かったね」
時計を見て、呆れたように煌斗が言った。
「煌斗さん、まだお仕事?」
「君が遅いから心配していたんだ」
「ごめんなさい、友達と飲んでて……」
優杏は悩みが吹っ切れたせいか、自分でも気がつかないうちに声が明るくなっていた。
それにアルコールで目元が柔らかくなっていて、色気すら醸し出している。
「優杏……誰と飲んでた?」