エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「二週間ばかりケニア旅行に行くんですよ、優ちゃん」
「ええっ!」
煌斗は思わず大きな声を出してしまった。
「なんで、あなたは聞いていないんですか?」
ズバズバと遠慮なく、女性が尋ねてくる。
「仕事が忙しくて……しばらく会えていなかったんです」
フンと女性が鼻を鳴らした。煌斗を軽蔑の眼差しで見つめている。
「しばらくって、ひと月半くらい前ですよ、旅行を決めたのは」
「あの、あなたは……」
「優杏と仕事をしている、前園紗子といいます」
「あなたが……」
優杏から名前は聞いていた。大学の先輩で仕事仲間のはずだ。
「それにしても、どうしてケニアへ……」