エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


優杏とアフリカのイメージが繋がらない。
突然の旅行には、ジェニファーが優杏と会ったことが絡んでいるのかもしれないと煌斗は思った。

だが鈴原は、思いがけない話を切り出した。

「お兄さんの作った井戸を見に行くって言ってました」

「ナイロビから奥地にまで行って?」
「ええ、現地の子どもたちが絵を送ってきてくれたんです」

(知らなかった、何も聞いていなかった……)

混乱しながらも、煌斗はふたりから情報を聞き出したかった。

「それで、おふたりはどうしてここに?」
「私たちは彼女から留守番を頼まれただけです」

紗子がそう言うと、紀之も頷いている。

「優杏が出発するのはいつでしょう?」
「今夜ですよ。夜の10時過ぎかな」

「ありがとう!」

まだ間に合うと聞いて、煌斗は再び車に飛び乗った。
なんとしてでも、優杏に会わなければならないのだ。


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