エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
再会

 「帰って来たんだ……」

秋本優杏(あきもとゆうあ)は今年26歳になる。

京都の大学へ進み、卒業後もそのまま就職していたので実家に住むのは久しぶりだ。
  
 このあたりは東京都心まで電車で一時間はかかるが、緑豊かな地区だ。
優杏の祖父の代には、この辺りの土地は殆ど我が家の物だったらしい。

優杏の父は大地主というより学術肌の人で、広大な土地の開発は不動産会社に任せて自分は大学で教鞭をとっていた。

造成された団地から少し離れた場所へ、父親は家族のための家を建てた。

その土地は小高い丘の南向きの斜面で、
花づくりが趣味だった母親は花木や草花を広い庭のあちこちに植えてたという。

その結果、高低差を利用した見事なイングリッシュガーデンが出来上がった。

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