エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
エピローグ
優杏のいない二週間は、煌斗にはたまらないほど長かった。
仕事をしている時はあっという間に時間が経つと思っていたが、
彼女を待つ日々は、時の流れが遅く感じられたのだ。
「いよいよですね」
明るい昼下がり、珍しく自宅にいる煌斗にコーヒーを淹れながら
ワクワクした声で三谷が言った。
彼女もどうやら優杏の帰国を楽しみにしているようだ。
「ああ……待ちくたびれたよ、この二週間」
優杏からはしょっちゅうメールが届いたが、それだけでは足りない。
「今度こそ、優杏さんの手を離しちゃダメですよ」
もう何度、三谷に優杏に対しての不手際を絞られたことか。
しかも、こってりと。
「わかってるよ」
コーヒーを飲み終わると煌斗は三谷の小言にそれ以上付き合う気にもなれず、
さっさと空港へ向かうことにした。
今日は、優杏が帰ってくる日だ。