エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
混みあっている空港ロビーで、煌斗は彼女を待った。
帰国便はドバイ経由だから、夕刻には成田に着く予定だ。
どんなに人が多くても愛する人を見つけなくてはいけない。
煌斗は、今度こそ彼女を手離したくなかった。
(もう、間違えない)
飛行機から降りてきた乗客に中に、白いシャツを着た優杏の姿がチラリと見えた。
彼女を見つけると、年甲斐もなく喜びに胸が打ち震えるのを感じた。
優杏も煌斗に気がついたのだろう。真っ直ぐこちらに向かって走ってくる。
「煌斗さん!」
優杏が煌斗の胸に飛び込んで来た。そのまま彼女の身体をふわりと受け止める。
「お帰り」
ふたりはお互いに微笑みあった。
「ただいま、煌斗さん」
ニッコリ笑ってえくぼを覗かせた優杏の笑顔が眩しくて、
思わず抱きしめる煌斗の腕に力がこもる。