エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
(恥ずかしくて死にそうって、こういうことなんだ)
彼のシャツを掴んだまま、私は真っ赤になって固まっていた。
『優ちゃん……』
今にも泣きたいくらい、こみ上げてくる感情を抑えられなくなっていた。
『あなたが、好き』
彼への告白の言葉まで、言ってしまった。
煌斗が信じられないといった顔で大きく目を見開くのが見えた。
『優ちゃん、酔ってるな』
彼は優杏の頭をポンポンと叩くと、笑いながら言った。
『俺はお子さまの相手はしないんだ。優ちゃんのキスは大好きな子に出会う時まで取っときなよ』
カラカラと笑いながらパーティーの方へ戻って行く煌斗の姿を、優杏はただぼんやりと見つめていた。