エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
『お子さまの相手は出来ない』
それが、初恋の終わりを告げる言葉だった。
『大好きな相手に出会う時までキスは取っときな』
(煌斗さんより好きな人が現れるまで、キスはできない)
それは、優杏の脳裏に刻まれてしまった。
(煌斗さんは初恋の人。初恋は実らない……)
やがて煌斗は父親の後を継ぐべく片岡地所に就職し、ニューヨーク支店を任されたらしい。
そして、向こうで出会ったアメリカ人と結婚したと兄から聞いた。
優杏は京都の大学に進み、デザインを学んでWebデザイナーとして広告代理店に就職した。
ニューヨークと京都に離れてしまったのだから、もう二度と煌斗とは会うことはないはずだった。