エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
逃げた理由
久しぶりに、日比谷の街を優杏は歩いていた。
ここは銀座に近いし未来志向の商業施設や劇場もある。
それに大きな公園もあるので街散歩にはピッタリの場所だ。
兄が有楽町のガード下にあるドイツ料理が好きでよく連れてきてもらっていたが、最近は足を向けることも無かった。
今日は理由があってここに来た。
有楽町駅から歩いて10分もかからない場所に、大学の先輩が勤めている中堅のデザイン事務所がある。
その先輩に退社の報告をしたら呼び出されてしまったのだ。
大手広告代理店を辞めた以上、フリーで働くつもりだったので
今日は挨拶がてら先輩に仕事の相談をしようと思っていた。