エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
短すぎる髪と濃いアイメイクが個性的な女性が、優杏の尊敬している先輩、美園紗子だ。
「よく来てくれたわね」
「こんにちは。今日は声をかけて下さってありがとうございます」
満面の笑を浮かべて、紗子が走り寄って来てくれた。
「さっそく、所長に会ってくれる? 今、ちょうどいるのよ」
「あ、これお土産です。よかったら皆さんでどうぞ」
人気洋菓子店の焼き菓子が入った紙袋を渡すと、紗子の声がオーバーなくらいに大きくなった。
「気が利くわ~、優ちゃんありがとう」
ついて来いというふうに紗子が手招きするので、その後に続いた。