エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「青木さん、この子がお伝えしていた私の京都時代の後輩です」
「初めまして、秋本優杏です」
「ああ、君が? あの広告デザイン新人賞を取ったっていう……」
青木と呼ばれた所長は40になるかどうかといった年ごろだろうか。
少しうっとおしいくらい髪を長く伸ばしている。
メガネをかけていて、その奥の目は優しそうに細められている。
「ここをやってる青木充です。よろしくね」
「よろしくお願いします」
それから青木の案内されて、フロアの最奥にあるガラス張りの所長室へ入った。