エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


それが兄が急死した時期と重なったので、私は精神的に参ってしまった。
だから、退社の道を選んだ。

負け犬と思われるのは嫌だったが、当時の私は人間不信とでもいおうか
社内の友人や同期の誰をも信じられなくなってしまったのだ。

辞める理由に兄の死を使うことになってしまったが、
私は亡き兄こそが『もうこんな会社辞めて、東京に帰れ』と言ってくれたように思っている。

Webデザイナーとしては駆け出しだけどなんとかやっていける。
美大出身で受賞経験もあるからフリーになっても大丈夫だと考えたのだが、世間は厳しい。

仕事は中々順調には決まらなかった。



< 42 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop