エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
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「それで、うちで働いてくれるの?」
優杏が会社時代を思い出していたら、青木が声をかけてきた。
「あの……よろしいんですか?」
噂を聞いていたはずなのに、青木の反応は意外に思えた。
「フリーでやるんでしょ? うちが忙しいとき応援してくれたら助かるなあ」
青木はあっさり仕事を回してくれるようだ。
こちらからお願いしようと思っていたところだったので、正直ホッとした。
「ありがとうございます。助かります」
嬉しくて、素直に感謝の気持ちが口から飛び出した。
「こっちに帰ってから、どんな仕事してんの?」
青木は興味津々に聞いてくるが、実家に帰ってひと月も経たないから
まだ仕事らしい仕事はしていない。
「幼なじみのケーキ屋さんとか、園芸店とか?」
「何それ?」
呆れ顔の紗子につっこまれてしまった。