エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
『キスして』
(あれは告白? それとも、単にキスを経験したかっただけなのか?)
10代の少女からの告白だから誤魔化してその場から逃げたのだが、
その様子を兄の悠慎はきっちり見ていた。
『遊びで優杏には近づくなよ。妹を傷つけたらお前でも容赦しない』
兄らしい、妹を思いやる言葉で牽制された。
『大丈夫だ。俺にとっても大切な妹だからな』
『お前を信じるよ』
その言葉が胸に残って、ずっと優杏を女性として見てはいけないと思い込んでいた。
だが、もう限界だ。
妹ではなく、ひとりの女性として優杏は俺を惹きつける。