エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


それからの日々は、慌しく過ぎた。

両親は一気に老け込んでしまい、この広い家には思い出があり過ぎて辛いからと遠く離れた海岸沿いの街へ引っ越していった。

優杏はこの家を任されたことをきっかけに、京都の会社を辞めて実家へ帰ってくることにした。

広告代理店のWebデザイナーだったので、在宅で仕事をするつもりだった。

それに会社での人間関係に疲れていた時期に兄を失ってしまい、落ち込んでもいた。辛い時期を乗りきるためにも時間が欲しかった。

(家に帰って自然に囲まれた暮らしをすれば、やり直せるかもしれない……)

それくらい、精神的に追い詰められていた。


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