エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「ところで、あの人は優ちゃんの恋人?」
いきなり話題を変えて、紀之がストレートに聞いてきた。
「まさか⁉ あの方は既婚者ですよ」
「え? そうなの?」
紀之は煌斗が既婚者と聞いて驚いた顔を見せていた。
……それにしては、彼が自分に向けてきた視線は刺々しい。
優杏に近づく男は容赦しないと言った雰囲気だったと紀之は思った。
「優ちゃん、ひとり暮らしなんだから気をつけてね?」
その言葉を聞いてもピンとこない優杏は、ただ頷いていた。