エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
夕方前に都心を出たのに、優杏が帰宅できたのは夜になってからだった。
雨はますます激しく降るし、落雷があって電車のダイヤも乱れていた。
案の定タクシー乗り場は大混雑で、優杏はかなり待つ羽目になった。
(疲れた……)
もう食欲も無かったが、シャワーを浴びてからホットミルクだけ口にした。
遠くで雷が鳴っている気がする。
(こんな日は心細いな……)
庭にはガーデンライトを設置しているが、これほど酷い雨だと役に立たない。
さすがのムサシも小屋に籠っているようだ。
ベッドに入って本でも読もうかと思っていたらスマホが鳴った。
煌斗からだ。