エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
『今からでも良かったら迎えに行くよ。避難しよう』
「でも、行くところが……両親のいる湘南も遠いし……」
いきなり煌斗に言われて、優杏は混乱していた。
自分の部屋のカーテン越しに外を見ても、雨は横なぐりだし雷は激しくなる一方だ。
もし西側の道路の法面が崩れたら、イングリッシュガーデンに被害が出るかもしれない。
(最悪、この家に影響が出たらどうしよう……)
初めての経験に、優杏の考えはまとまらない。
「庭が心配だし、ここを離れる訳にはいかないわ」
『優ちゃん……うちに来ないか?』
「煌斗さんの?」
煌斗からの提案を聞いて、優杏は耳を疑った。
『この雨の間だけでも、うちに来るといい』