エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
来客予定はなかったのだが、今度はムサシがキュンキュンと甘えた声に変わっているのが聞こえた。
(……誰なの?)
気になって玄関のドアをそっと開けたら、そこにはムサシにじゃれつかれる背の高い男の人が立っていた。
「あの……」
「ああ、申し訳ない。こちらに久しぶりにお伺いしたら、ムサシに忘れられていて……」
ムサシは今にも高級そうな彼のスーツに飛びつこうとしている。
「ダメよムサシ、ステイ」
ムサシはピクリと耳を揺らして座り込んだ。
「助かりました」