エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
広い邸内は静まりかえっている。確かに人気はなかった。
(おじさまは留守……? でも、奥様は?)
煌斗のあとに続いて歩きながら、優杏の胸には疑問が膨れ上がっていた。
「浴室に案内するよ。まず温まって着換えてくれ」
「先に、煌斗さんからどうぞ」
優杏は遠慮したが、煌斗は譲らない。
「ゆっくり風呂を使ってくれ。俺は自分の部屋のシャワーで十分だから」
「あ、ありがとうございます」
「濡れたままだと風邪をひく」
煌斗の声はどこまでも優しかった。