エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
リビングのソファーに並んで座った。ふたりともテレビに向かって座る形になった。
微妙な距離が、ふたりの間にある。
すでに飲んでいた煌斗がグラスに琥珀色の液体を注ぎ、優杏に手渡してくれた。
「ありがとうございます」
優杏はそっと受け取ると、両手の中でゆっくりグラスを回した。
「そうだよな……優ちゃんだって、もうお酒を飲んでる年だったな」
優杏がブランデーを嗜むのを見て、しみじみ煌斗が呟いた。
その声が聞こえて、優杏はつい反抗的な言い方をしてしまった。
「未成年じゃありませんから」
「ああ、そうだった。ごめんごめん」
少し剥れて見せたら、煌斗がクスリと笑う。
いつもの冷静な彼ではなく、悪戯っぽい微笑みだ。
「あの……」