エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


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煌斗は三年前、悠慎に電話をしたときのことを思い出していた。
ニューヨークで知り合った不動産関係の会社経営者の娘との結婚を決めたと伝えたのだ。

『おめでとう! お前もやっと落ち着くな』
『やっとって、失礼なヤツだな悠慎』
『お前、今まで遊び過ぎだよ。落ち着いてくれて良かった』
『悠慎こそ、まだ結婚しないのか?』
『あちこち飛び回ってるから、もう少し先かな?』

その電話の二年後には、離婚の報告をしたのだ。

当時を思い出して少しぼんやりしていたら、優杏が心配そうな顔をしていた。

「ごめんなさい、不躾にお聞きして」
「あ、違うんだ。悠慎のこと考えてた」
「兄のこと?」
「離婚の報告もしたんだが、君に伝えてくれなかったんだな」

悠慎としては、どこかで警戒していたのかもしれないと煌斗は思った。
こんな風に自分が優杏に惹かれてしまうことを、彼は見越していたのだろうか。


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