エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
新しい生活
優杏がうっすらと目を開けたら、知らない空間が広がっていた。
モスグリーンのカーテンからは眩しい朝の光が部屋に入っている。
(ここは……)
シーツの手触りも匂いも、自分の部屋の物ではない。
「あっ!」
思わず声が出て、一気に目が覚めた。
(ここは、煌斗さんの家だ)
だが、昨夜隣に眠っていたはずの彼がいないので焦った。
(煌斗さん、もう仕事に行ったのかしら……)
慌ててベッドから降り、そのままリビングへ急いだ。
広い屋敷なのに、昨夜と同じく静まりかえったままで無機質な印象だ。
平屋建てだから、リビングに行くには長い廊下を歩かなくてはいけない。