エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「おはようございます」
声をかけながらリビングに入ると、奥から煌斗の声がした。
「おはよう、よく眠れた?」
「はい、ごめんなさい。寝過ごしてしまって」
彼は手を拭きながらリビングに顔を出してきたので、どうやらキッチンにいたようだ。
「朝ごはん、食べるでしょ」
「え?」
「簡単だけど作ったから、ちょうど起こそうかと思っていたんだ」
「煌斗さんが、お料理を?」
まさか、忙しい常務が自ら料理をするとは信じられなかった。
「俺はひとり暮らしみたいなものだから、簡単な物は作れるよ。ただ味は期待しないで」
「は、はい」
「顔を洗っておいで、一緒に食べよう」
優杏は起き抜けの顔を見られたことに気がついて、照れくさくたまらなかった。