エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


「それだけ、俺が君に惚れてるって思ってくれたらいいよ」
「煌斗さんたら」

ストレートに思いを告げてくる煌斗に、優杏はたじたじだ。

「そろそろ八時半か……家政婦が来る時間だな」
「え?どうしましょう」

朝から自分がいたら、なんて思われるだろうかと優杏は戸惑った。

「なに言ってるんだ。婚約者だろ」

「あ……」

「堂々としてくれたらいいよ。将来、この家の主婦になるんだから」
「主婦……」

ますます優杏は自分の置かれた立場に緊張する。
"片岡家の主婦″と呼ばれるのは責任が重そうだ。

「家政婦の三谷になんでも聞いてくれて構わない。俺や親父も頭が上がらない存在なんだ」


そんなことを話していたら、勝手口から声が聞こえた。



< 97 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop