エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「それだけ、俺が君に惚れてるって思ってくれたらいいよ」
「煌斗さんたら」
ストレートに思いを告げてくる煌斗に、優杏はたじたじだ。
「そろそろ八時半か……家政婦が来る時間だな」
「え?どうしましょう」
朝から自分がいたら、なんて思われるだろうかと優杏は戸惑った。
「なに言ってるんだ。婚約者だろ」
「あ……」
「堂々としてくれたらいいよ。将来、この家の主婦になるんだから」
「主婦……」
ますます優杏は自分の置かれた立場に緊張する。
"片岡家の主婦″と呼ばれるのは責任が重そうだ。
「家政婦の三谷になんでも聞いてくれて構わない。俺や親父も頭が上がらない存在なんだ」
そんなことを話していたら、勝手口から声が聞こえた。