エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい
「おはようございます」
「おはよう、三谷さん」
三谷と呼ばれた女性は、60前くらいだろうか中肉中背のキビキビしたイメージの人だった。
「あれ? 煌斗さん……」
優杏の姿を見たとたん、三谷はギロリと煌斗を睨みつけた。
「こちらの方は?」
冷たい声に、煌斗が焦ったように返事をした。
「三谷さん、何か誤解があるようだが……」
「はじめまして、秋本優杏と申します」
優杏から挨拶をすると、三谷が大きく目を見開いた。
「秋本……悠慎さんの妹さんですか!」
「はい、そうです」
「まあまあまあ……」
そう言いながら、三谷は優杏の手を取ってぎゅっと握りしめた。