離婚却下、御曹司は政略妻を独占愛で絡めとる
小学校高学年から中学に上がる頃になると、柊子自身が活発な女子に変化していった。
髪の毛はショートカット。スカートではなく、ショートパンツやジーンズをはくようになった。周囲には男女問わず人が集まり、クラスでは中心人物になっていった。中学は女子ソフトボール部に入り、誰とでも分け隔てなく接するスポーツ少女だった。
俺も負けじと運動に励んだ。柊子に劣るわけにはいかない。成績は俺の方が上だが、体育の成績は男女の学年ツートップが俺と柊子だった。
柊子は俺に対しても屈託なく接した。快活な彼女からしたら当然の態度で、俺は変な意地を張るのをやめた。むしろ、公然と柊子と距離を縮められることを喜んだ。嬉しいことに、俺と柊子は同性同士のような仲の良い友人関係になっていた。
俺たちが中学三年のとき、姉の美優が邦親さんとの婚約を解消した。
古賀家と志筑家、両家を結べるのは俺と柊子だけ。許嫁なんて所詮親や祖父同士の約束事だが、姉たちがそれを果たせないなら俺と柊子に期待は集まる。
俺はガッツポーズをせんばかりに喜んだ。これで柊子と確実に結婚ができる。
真面目の塊のような姉だって、恋に落ちて変わってしまったのだ。柊子とてこの先はわからない。もし柊子が心惹かれる男と出会っても、結婚のプレッシャーがかかっている状況があれば、彼女はその気持ちが育つ前に消してしまうだろう。俺との結婚を優先するに違いない。
しかし、この頃の俺は思春期真っただ中で、びっくりするくらい素直じゃなかった。
柊子と結婚できるのが嬉しいと言えばよかったのに、照れ隠しに「柊子で我慢しろっていうならしてもいい」などと斜に構えた偉そうな態度を取った。
結果、柊子は怒り、その場はそれ以上の話ができなかった。
髪の毛はショートカット。スカートではなく、ショートパンツやジーンズをはくようになった。周囲には男女問わず人が集まり、クラスでは中心人物になっていった。中学は女子ソフトボール部に入り、誰とでも分け隔てなく接するスポーツ少女だった。
俺も負けじと運動に励んだ。柊子に劣るわけにはいかない。成績は俺の方が上だが、体育の成績は男女の学年ツートップが俺と柊子だった。
柊子は俺に対しても屈託なく接した。快活な彼女からしたら当然の態度で、俺は変な意地を張るのをやめた。むしろ、公然と柊子と距離を縮められることを喜んだ。嬉しいことに、俺と柊子は同性同士のような仲の良い友人関係になっていた。
俺たちが中学三年のとき、姉の美優が邦親さんとの婚約を解消した。
古賀家と志筑家、両家を結べるのは俺と柊子だけ。許嫁なんて所詮親や祖父同士の約束事だが、姉たちがそれを果たせないなら俺と柊子に期待は集まる。
俺はガッツポーズをせんばかりに喜んだ。これで柊子と確実に結婚ができる。
真面目の塊のような姉だって、恋に落ちて変わってしまったのだ。柊子とてこの先はわからない。もし柊子が心惹かれる男と出会っても、結婚のプレッシャーがかかっている状況があれば、彼女はその気持ちが育つ前に消してしまうだろう。俺との結婚を優先するに違いない。
しかし、この頃の俺は思春期真っただ中で、びっくりするくらい素直じゃなかった。
柊子と結婚できるのが嬉しいと言えばよかったのに、照れ隠しに「柊子で我慢しろっていうならしてもいい」などと斜に構えた偉そうな態度を取った。
結果、柊子は怒り、その場はそれ以上の話ができなかった。