離婚却下、御曹司は政略妻を独占愛で絡めとる





姉とのメッセージのやり取りが終わると、タイミングよく柊子からメッセージが入った。

『今度の同窓会の件だけど、一緒に行く? 現地で待ち合わせる? 別々にする?』

来週末、俺たちが通っていた高校の同窓会がある。親兄弟も通った中高一貫校で、幼稚舎や小学校もある学校なので、幼児から一緒という付き合いの長い同級生も何人かいる。
当時、俺と柊子はお互い婚約者だと周囲に言わなかった。目立ちたくなかったからだ。周囲は俺たちを幼馴染同士だとみていたようだ。

『結婚したんだから、バラバラにいくのはおかしいだろう』
『結婚のこと、言わないほうがいいんじゃないかな』

まだそんなことを言うのか。確かに結婚式に友人は招いていない。結婚したと言わなければ、俺たちは独身のままに見えるだろう。
しかし、それは俺が都合悪いのだ。俺という夫がいるとアピールしないと、柊子の虫よけにならないじゃないか。

『離婚のことは置いておいて、結婚したのを報告するのは大事だ。友達に嘘をつきたくない』

俺の真面目ぶったメッセージにややして返信がきた。
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