離婚却下、御曹司は政略妻を独占愛で絡めとる
「柊子ちゃんは離婚前提で、親のために志筑と結婚したんでしょ? じゃあ、未来の彼氏に立候補してもOKじゃん」
チャラチャラした口調で柊子に迫るな。あと、ちゃん付けで呼ぶな。
こいつの父親は衆議院議員で、こいつ自身は最近起業したと風の噂で聞いている。今は河東の方が社長という肩書を持っているかもしれないが、将来性は俺の方が上だ、たぶん!
「あ、そういうのはちょっと困るかな」
しかし、俺が答える前に柊子本人がざくっと拒否の返事をした。
「一応、人妻だし。今は恋愛とか考えられないから」
柊子は天然なところがある。馬鹿正直のクソ真面目で、損をすることが多い女だ。しかし、今はそれがいい方向に働いた。
それにしてもこの言い草だと、柊子は俺が他に好きな女を作って離婚するのがいいと思っているのか。
「じゃあ、かな~り先の未来に期待しとくよ。恋愛したくなったら、真っ先に声かけてね」
河東は冗談めかして言って、周囲の笑いを取っていた。
俺はがっちりと柊子の肩をつかみ、この会の間中、柊子から離れないことをひそかに誓った。
同窓会はつつがなく終わった。二次会は任意で、うちのクラスでも企画されていたが、俺は柊子を連れて帰ることにしていた。この点は柊子も了承している。
あの後は肩こそ抱かなかったが、会の間中柊子から離れないようにしていた。
「柊子、ああいうことを軽々しく言うなよ」
帰りのタクシーの中でため息交じりに忠告した。
チャラチャラした口調で柊子に迫るな。あと、ちゃん付けで呼ぶな。
こいつの父親は衆議院議員で、こいつ自身は最近起業したと風の噂で聞いている。今は河東の方が社長という肩書を持っているかもしれないが、将来性は俺の方が上だ、たぶん!
「あ、そういうのはちょっと困るかな」
しかし、俺が答える前に柊子本人がざくっと拒否の返事をした。
「一応、人妻だし。今は恋愛とか考えられないから」
柊子は天然なところがある。馬鹿正直のクソ真面目で、損をすることが多い女だ。しかし、今はそれがいい方向に働いた。
それにしてもこの言い草だと、柊子は俺が他に好きな女を作って離婚するのがいいと思っているのか。
「じゃあ、かな~り先の未来に期待しとくよ。恋愛したくなったら、真っ先に声かけてね」
河東は冗談めかして言って、周囲の笑いを取っていた。
俺はがっちりと柊子の肩をつかみ、この会の間中、柊子から離れないことをひそかに誓った。
同窓会はつつがなく終わった。二次会は任意で、うちのクラスでも企画されていたが、俺は柊子を連れて帰ることにしていた。この点は柊子も了承している。
あの後は肩こそ抱かなかったが、会の間中柊子から離れないようにしていた。
「柊子、ああいうことを軽々しく言うなよ」
帰りのタクシーの中でため息交じりに忠告した。