OL 万千湖さんのささやかなる野望
その日、万千湖はいつもより早く目を覚ました。
薄暗い部屋の中、横に寝ている駿佑に驚く。
何故、ここに課長がっ、と慌て、ベッドから飛び出そうとして、駿佑が自分の夫だと気がついた。
……慣れないな。
目が覚めたら、課長がいるの。
万千湖はまだ眠っている駿佑の顔をじっと眺めてみた。
綺麗な顔だな……と思ったあとで、万千湖は、はっとする。
私の寝起きっ、絶対に綺麗ではないっ。
慌ててベッドから出ようとしたが、ぐっと肩をつかまれた。
「待て。
何処に行く……」