ハロー、愛しのインスタントヒーロー
*
「奈々ちゃん、お風呂あがったよ。……奈々ちゃん?」
しばらく無心でテレビを眺めていた。
後ろからやってきた絢斗が、リモコンのボタンを押してテレビの電源を切る。
「奈々ちゃん!」
「うわっ」
耳元で大声を出さないで欲しい。反射的に肩が大きく跳ねる。
慌てて振り返れば、なぜかバスタオルを適当に纏っただけの姿で絢斗が立っていた。
「は!? 何で服着てないの!?」
「えっ、だって着替えないんだもん! これから寝るのに制服着たくないし……」
「だったら出てこないでよ! 向こうから呼べば良かったでしょ」
「呼んでも奈々ちゃん返事してくれなかった……」
ジト目で肩を落とされ、言葉に詰まる。
確かにそれは気付かなかった私が全面的に悪い。視線の行き場に困るので、早急に何か着てもらわなければ。
そういえば前にクラスの男の子が家へ来た時、ティーシャツを置いていったような気がする。
「あ、あった」
クローゼットの中を少し探してみると、目当てのものが見つかった。シンプルな黒いシャツ。伸縮性があるし、これなら大丈夫そうだ。
「絢斗、これ着て」
「奈々ちゃん、お風呂あがったよ。……奈々ちゃん?」
しばらく無心でテレビを眺めていた。
後ろからやってきた絢斗が、リモコンのボタンを押してテレビの電源を切る。
「奈々ちゃん!」
「うわっ」
耳元で大声を出さないで欲しい。反射的に肩が大きく跳ねる。
慌てて振り返れば、なぜかバスタオルを適当に纏っただけの姿で絢斗が立っていた。
「は!? 何で服着てないの!?」
「えっ、だって着替えないんだもん! これから寝るのに制服着たくないし……」
「だったら出てこないでよ! 向こうから呼べば良かったでしょ」
「呼んでも奈々ちゃん返事してくれなかった……」
ジト目で肩を落とされ、言葉に詰まる。
確かにそれは気付かなかった私が全面的に悪い。視線の行き場に困るので、早急に何か着てもらわなければ。
そういえば前にクラスの男の子が家へ来た時、ティーシャツを置いていったような気がする。
「あ、あった」
クローゼットの中を少し探してみると、目当てのものが見つかった。シンプルな黒いシャツ。伸縮性があるし、これなら大丈夫そうだ。
「絢斗、これ着て」