ハロー、愛しのインスタントヒーロー
*
突然、奈々ちゃんと会えなくなった。
冬休みにたくさん遊ぼうって約束していたのに、奈々ちゃんの家に行っても出てきてくれない。
やっと冬休みが明けた日の学校にも、奈々ちゃんは来なかった。
自分から先生に「プリントを届けます」と言って、その日の放課後に奈々ちゃんの家に行った。
「ななちゃん、プリントもってきたよ」
背伸びしてインターホンを押す。二回、三回。やっぱり奈々ちゃんは出てこない。
「ぐあいわるいのー?」
ちょっとだけ声を大きくして聞いてみる。それでも返事はない。
思い切って息をいっぱい吸って、叫んでみた。
「ななちゃーん、いないのー!?」
「……あや、ちゃん?」
ドアの向こうから、小さく僕を呼ぶ声がした。びっくりして息を止める。
「あやちゃん、きてくれたの……?」
「そうだよ! ななちゃん、げんき?」
「……うん。げんき、だよ」
「ぼくね、プリントもってきた! だから、ドアあけて?」
十秒待ってもドアは開かない。変だな、と思って、もう一度声を掛けようとした時、ゆっくりとドアが開いた。
「ななちゃん……?」
突然、奈々ちゃんと会えなくなった。
冬休みにたくさん遊ぼうって約束していたのに、奈々ちゃんの家に行っても出てきてくれない。
やっと冬休みが明けた日の学校にも、奈々ちゃんは来なかった。
自分から先生に「プリントを届けます」と言って、その日の放課後に奈々ちゃんの家に行った。
「ななちゃん、プリントもってきたよ」
背伸びしてインターホンを押す。二回、三回。やっぱり奈々ちゃんは出てこない。
「ぐあいわるいのー?」
ちょっとだけ声を大きくして聞いてみる。それでも返事はない。
思い切って息をいっぱい吸って、叫んでみた。
「ななちゃーん、いないのー!?」
「……あや、ちゃん?」
ドアの向こうから、小さく僕を呼ぶ声がした。びっくりして息を止める。
「あやちゃん、きてくれたの……?」
「そうだよ! ななちゃん、げんき?」
「……うん。げんき、だよ」
「ぼくね、プリントもってきた! だから、ドアあけて?」
十秒待ってもドアは開かない。変だな、と思って、もう一度声を掛けようとした時、ゆっくりとドアが開いた。
「ななちゃん……?」