ハロー、愛しのインスタントヒーロー
*
「明日から早速来てもらおうと思うけど、大丈夫?」
元々コンビニで週に三日ほど働いていたけれど、ファミレスのバイトも追加することにした。
正直もう勉強も根を詰めてやる必要はないし、一人暮らしのために貯金はしておきたいし、考え事をする時間を極力減らしたい。
店長だと名乗る男性の問いかけに頷き、学校が終わったらそのまま向かいます、と伝える。
ちょうどその時、奥からばたばたと騒がしい足音が近付いてきた。
「てんちょー、またサラダなくなりそうなんですけど! キッチン入って下さい! なるはやで!」
「おい啓介ぇ、俺いま面接中なんだって」
「さっき採用って聞こえた! もう終わったっしょ!?」
ダークブラウンの短髪が真っ先に目に飛び込んでくる。顔を出したのは、いかにも快活そうな男の子だった。
私の視線に気が付いたのか、彼がこちらに向き直る。
「あ、井田です! よろしくお願いします」
無駄に声が大きくてうるさいタイプなのかと身構えたけれど、そういうわけではないらしい。爽やかな笑顔が印象的で、人の良さが滲み出ている。
「此花です。よろしくお願いします」
「明日から早速来てもらおうと思うけど、大丈夫?」
元々コンビニで週に三日ほど働いていたけれど、ファミレスのバイトも追加することにした。
正直もう勉強も根を詰めてやる必要はないし、一人暮らしのために貯金はしておきたいし、考え事をする時間を極力減らしたい。
店長だと名乗る男性の問いかけに頷き、学校が終わったらそのまま向かいます、と伝える。
ちょうどその時、奥からばたばたと騒がしい足音が近付いてきた。
「てんちょー、またサラダなくなりそうなんですけど! キッチン入って下さい! なるはやで!」
「おい啓介ぇ、俺いま面接中なんだって」
「さっき採用って聞こえた! もう終わったっしょ!?」
ダークブラウンの短髪が真っ先に目に飛び込んでくる。顔を出したのは、いかにも快活そうな男の子だった。
私の視線に気が付いたのか、彼がこちらに向き直る。
「あ、井田です! よろしくお願いします」
無駄に声が大きくてうるさいタイプなのかと身構えたけれど、そういうわけではないらしい。爽やかな笑顔が印象的で、人の良さが滲み出ている。
「此花です。よろしくお願いします」